消化器詐欺事件

消化器詐欺事件

20代半ばの頃、インターネットカフェでアルバイトをしていました。

インターネットカフェと言えば15分くらいの短い時間から泊まりがけで長時間利用する人まで様々。

人の出入りは多く、意外に忙しかったのを覚えています。

お客さんだけでなく、当然配達の人や取引先の企業なども頻繁に出入りするのですが、ある日「事件」は起こりました。

お店に入ってきた作業着姿の男性がいて、年は60代くらいでしょうか。

なにか大きな荷物を抱え、それを入り口の脇に置いたと思ったら、受付にいた私に声を掛けてきました。

「お世話になっております。あのぉ、消化器の点検と交換に来たんですが。」

「あ、はい…どうも」

私はてっきり取引している業者の人だと思いました。

「あなた、担当の方?」

「あ、いえ…」

奥の事務所に行けば店長がいるのは分かっていましたが、来客中だったので私は声を掛けるのは止めた方がいいと判断しました。

「消化器を交換させて頂いてもいいですかね」

「はい、じゃあお願いします」

私は軽い気持ちでそう返事しました。

男性はいそいそと持って来た荷物から新品らしい消化器を取り出し、元々あった消化器と交換しました。

「では、お代は・・・」

「はい、おいくらでしょう?」

私は後で立て替えてもらえばいいや、と思い受付のレジを開けました。
そして言われたとおり、2万円を男性に引き渡しました。

「どうも、確かにお受け取りしました」

「ご苦労様です」

そんなやりとりの後、男性は再び入り口のところで大きな荷物をごそごそやった後、立ち去りました。

そしてもう一人の先輩アルバイトが別の仕事から戻ってきたので、その件を伝えました。
すると彼の顔色が一気に青ざめました。

「業者?どこの?消化器交換って…そんな取引うちはしてないよ」

「えっ・・・・」

私はそのとき初めて、自分が騙されたことに気が付きました。

慌てて店長に報告すると、「2万円って・・・」と絶句していました。

男性が持って来た入り口の消化器を確認すると、実は中身は空で、しかもお店の外には隅の方に元々あった消化器が置かれていたそうです。

私はただただ謝るしかありませんでした。

なんで一声誰かに声をかけなかったんだろう、勝手に一人で判断するべきゃなかったととても後悔しました。

対処法or解決策

店長や他のスタッフ、警察の方などいろんな人に迷惑をかけてしまったことが何より自分の胸に響きました。

それ以来、仕事上はどんな小さなことでも疑問に感じたらすぐ誰かに相談するように心掛けるようになりました。

日頃から「報・連・相」を心掛ける上でもあの事件はいい教訓になったと思います。

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